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日本酒伝道師マユ【I need Spain】

David Recalde ダビッド・レカルデ | | 約11分
「I need Spain 在スペイン日本人」笹山真悠子さん(Sake con Mayu)インタビューのサムネイル
YouTubeシリーズ「I need Spain 在スペイン日本人」第7弾。スペインに約10年暮らし、日本酒の専門家として活動する笹山真悠子(マユ)さんへのインタビュー。スペイン語圏における日本酒教育の遅れ、生ハムやチーズとの意外な好相性、書籍『El mundo del sake』の出版、日本の蔵元を巡るツアー事業まで、動画とあわせてお届けします。
目次
  1. 1. 「I need Spain 在スペイン日本人」第7弾:日本酒の伝道師
  2. 2. 日本酒とは何か——よくある誤解を解く
  3. 3. 書籍プロジェクト『El mundo del sake』
  4. 4. ガストロノミーとマリアージュ——「うま味」という共通言語
  5. 5. 教育とキャリアの機会
  6. 6. 発信活動とイベント
  7. 7. まとめ

「I need Spain 在スペイン日本人」第7弾:日本酒の伝道師

スペイン倶楽部のYouTubeシリーズ「I need Spain 在スペイン日本人」第7弾。スペインに約10年暮らし、「Sake con Mayu」として日本酒の専門知識を発信する笹山真悠子さんに、スペイン語圏における日本酒教育の現状、書籍出版の経緯、日本料理とスペイン料理の意外な共通点について伺いました。

インタビューはスペイン語で行われています。

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日本酒とは何か——よくある誤解を解く

笹山さんはまず、国際的に広まっている日本酒に関する誤解を明確に正しています。

  • 蒸留酒ではない:日本酒は蒸留酒(リキュール)ではなく、米を原料とする醸造酒であり、分類上はワインやビールと同じ発酵飲料に位置づけられます。
  • アルコール度数:一般的に15〜16度程度で、赤ワインやシェリー酒に近い度数です。
  • 多様な味わい:スパークリング、甘口、フルーティー、うま味の強いタイプ、熟成タイプまで、幅広いバリエーションが存在します。
  • 正確な用語:日本語の「酒」はビール・ワイン・ウイスキーを含むあらゆる酒類の総称です。米の発酵飲料を特に指すのは「日本酒(ニホンシュ)」という言葉だといいます。

書籍プロジェクト『El mundo del sake』

出版社プラネタ・ガストロから刊行された書籍『El mundo del sake(日本酒の世界)』は、スペイン語圏における情報と教育の空白に応える形で生まれました。

出版の背景

  • スペイン語圏の情報不足:英語圏には日本酒専門のスクールや書籍が複数存在する一方、スペイン語圏では体系立った日本酒教育がほぼ存在していなかったといいます。
  • 料理界でのトレンド:日本料理を専門としない料理人やソムリエの間でも、高級ガストロノミーにおける新たなツールとして日本酒への関心が高まっているとのことです。

書籍の構成

本書は愛好家から専門家まで幅広い読者を対象とし、以下の内容をカバーしています。

章のテーマ内容
歴史と文化日本酒と日本の伝統文化との深い関わり
醸造原材料と製造工程の技術的な詳細
テイスティングと分類日本酒の種類を見分けるための知識
ガストロノミーとカクテル日本風タパスのレシピ、カクテル、マリアージュの戦略
スペインでの現状現在スペイン国内で稼働する2つの酒蔵に関する情報

ガストロノミーとマリアージュ——「うま味」という共通言語

笹山さんの中心的な主張の一つは、日本酒が西洋の食文化、特にスペイン料理と補完し合う力を持っているという点です。

観点日本酒との関係
うま味「第五の味覚」と呼ばれ、グルタミン酸に由来する。トマト・チーズ・アンチョビ・生ハムといったうま味の強い食材は、うま味を共有する日本酒と好相性
汎用性酸味と苦味が穏やかなため、辛い料理・酸味の強い料理・香りの強い生魚など、ワインでは難しい複雑なマリアージュを実現しやすい
文化的な共通点スペインと日本はともに魚介・タコ・内臓・発酵食品(チーズ・醤油・味噌)の消費量が多く、自然な親和性の土台がある

教育とキャリアの機会

日本酒と日本文化の分野には、就労と教育の両面で成長の余地があると笹山さんは語ります。

  • スペインの労働市場:マドリードやバルセロナを中心に日本食レストランが増加しており、日本人や日本文化に詳しい人材への需要が高まっています。ただし、こうした職に就くためにはスペイン語力が重要な鍵になるといいます。
  • 専門教育「Sake Master」:笹山さんの著書を教材として活用する「Sake Master」コースを立ち上げ、スペイン国内に講師を配置。メキシコへの展開も計画しているとのことです。
  • 専門ツーリズム:富山・長野・新潟など日本各地の伝統的な酒蔵を巡るプライベートツアーも主催しています。多くの伝統的な酒蔵は、言語の壁から日本語を話さない訪問者や現地専門家の同行がない訪問者を受け入れていないため、こうしたツアーは海外の愛好家にとって重要な窓口になっているといいます。

発信活動とイベント

笹山さんの知識発信は、デジタルプラットフォームと公的機関でのイベントの両輪で支えられています。

  • YouTubeチャンネル:日本酒と日本文化を無料で学べる場を提供し、パンデミック期に顕在化したスペイン語での情報不足を補うことを目的としています。
  • セルバンテス文化センターでの登壇:東京で予定されているイベントでは、スペイン料理と日本酒を結びつけ、両国間の文化交流を深めることを目指しています。
  • 「Sake con Mayu」というプラットフォーム:コース・ツアー・コミュニティからの問い合わせを一元的に管理する軸として機能しています。

まとめ

「日本酒は蒸留酒ではなく醸造酒である」という基本的な誤解の訂正から始まり、書籍出版、専門教育、酒蔵ツアーへと活動を広げてきた笹山真悠子さん。スペイン語圏における日本酒教育の空白を埋める取り組みは、日本とスペインという二つの美食文化を「うま味」というキーワードでつなぐ、独自の橋渡し役を果たしています。

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出典

よくある質問

日本酒は蒸留酒ですか?
いいえ。日本酒は蒸留酒(リキュール)ではなく、米を原料とした醸造酒です。分類上はワインやビールと同じ発酵飲料に位置づけられます。アルコール度数は15〜16度程度で、赤ワインやシェリー酒に近いといいます。
「サケ」と「ニホンシュ」の違いは何ですか?
日本語の「酒(サケ)」はビール・ワイン・ウイスキーを含むあらゆるアルコール飲料の総称です。米を発酵させた飲料を特に指す言葉は「日本酒(ニホンシュ)」であると、笹山さんは説明しています。
なぜスペイン語で日本酒の書籍を出版したのですか?
英語圏には専門のスクールや書籍が複数存在する一方、スペイン語圏では日本酒に関する体系的な教育がほぼ存在しなかったことが動機だといいます。日本料理を専門としない料理人やソムリエの間でも、日本酒への関心が高まっていることも背景にあります。
日本酒は生ハムやチーズにも合うのですか?
はい。日本酒とスペイン料理は「うま味」という観点で高い親和性を持つといいます。トマト・チーズ・アンチョビ・生ハムなどうま味の強い食材と日本酒は相性が良く、酸味や苦味が穏やかな日本酒は、辛い料理や生魚など、ワインでは合わせにくい料理とも複雑なマリアージュを実現しやすいと語っています。
日本酒に関連する仕事の需要はありますか?
マドリードやバルセロナを中心に、日本食レストランの増加に伴い、日本人や日本文化に詳しい人材への需要が高まっているといいます。ただしスペイン語力がこうした職に就くための鍵になるとのことです。
日本の酒蔵を訪れることはできますか?
笹山さんは富山・長野・新潟など日本各地の伝統的な酒蔵(蔵)を巡るプライベートツアーを主催しています。多くの伝統的な酒蔵は、言語の壁から日本語を話さない訪問者や、現地の専門家の同行がない訪問者を受け入れていないため、こうしたツアーが海外の日本酒愛好家にとって重要な窓口になっているといいます。

免責事項 本記事は執筆時点で入手できる最善の情報をもとに 作成しています。ただし、料金・営業時間・入場条件・ 法規制などは予告なく変更される場合があります。 重要な判断をされる際は、必ず公式サイトや 関係機関で最新情報をご確認ください。 スペイン倶楽部は記事内容の正確性を保証するものではなく、 本記事の情報を参考にした結果について いかなる法的責任も負いません。

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